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ジム・トンプソンと我々の関係は? |
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いよいよ我々との関係が明らかになるんですね? |
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トンプソンはタイの伝統的な家を手に入れ、そこに美術品を飾りました。社交好きのトンプソンは多くの客をこの家に招待しました。そんなことで、彼の家は観光スポットになってしまいました。トンプソンは自分のライフスタイルを守るため、屋敷の公開日を決めました。さらにその際お金を取り、有効に使うことにしました。 |
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億万長者が、参観料ですか? |
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ある団体に寄贈したのです。ここを見てください。 |
上:移築中 下:現在 |
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「そこで彼は、1週のうち2日間だけ、家を公開することに決め、見学者からは入場料を取って、それを慈善事業として経営されているバンコックの盲学校に寄付することにした。この学校は、ジュヌヴィエーヴ・コルフィールドという盲目のアメリカ婦人が創設したもので、トムソンは彼女を大いに尊敬していたのである。」 |
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ウイリアム・ウオレン『失踪』より |
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コルフィールド? あっコールフィールド・・・。だったら伊藤長七のページに紹介されていますよね。伊藤長七校長が採用した3人の女性教師の一人。 |
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そうです。五中で1923年から1937年まで英会話を教えていた先生と思われます。タイの盲学校の創立は1939年とありますので、時期的にも合います。「盲目のアメリカ婦人」は著者の誤りと思います。実はこのあたり、行けば確かめられるかと思い、ジム・トンプソン邸博物館で尋ねたのですが、残念ながらはっきりさせることはできませんでした。ただし、盲学校への寄贈(見学料の一部)は現在も続いているそうです。 |
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コールフィールド先生ってすごい人ですね。 |
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本物の教育者ですね。だからトンプソンの尊敬を得ることができたのだと思います。もし、コールフィールド先生が五中時代、伊藤長七校長から感化されて・・・というのなら、また違った話の展開になるかもしれませんが、手がかりはありません。 |
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タイは遊びに行ったものとばかり思っていましたが・・。 |
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いえ、取材旅行です。(きっぱり) ですから、旅行代は同窓会で・・・。 |
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だめです。(さらにきっぱり) |
高級感漂うジム・トンプソンの店 |
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タイに行かれる方は、是非ジム・トンプソン邸を見学コースに入れてください。
なお、コールフィールド先生が1939年に開設した盲学校は、「バンコク盲学校」で、現在「タイ視覚障害者財団」が運営しているようです。また、これとは別に「コールフィールド視覚障害者財団」という組織があるそうですが、こちらはコールフィールド先生の教え子が1988年に設立したものです。(コールフィールド先生は1972年に85歳でなくなられております) |