● 2016年度 第2回 小石川セミナー
野老朝雄 氏 講演会 「 個 と 群 」
2020年東京オリンピック ・パラリンピック 公式エンブレムのデザイナー、  野老(ところ)さん [040E ・昭和63年卒業]の講演が、7月15日に母校の体育館で行われました。 全校生徒 約 960名のほかに、父兄と卒業生合わせて約 100名の参加がありました。
まずは 自己紹介から。
・ 在校時の成績は 非常に悪かった。
・ 大学はデザイン学科(建築専攻)に進学。
         卒業後に 英国 AAスクールで学ぶ。
・ 初めは ロゴマークのデザインなどを行った。
  スライドの緑の植物は、ヤマノイモ科の「オニ ドコロ」の葉で、
  それを抽出 パターン化したのが右のマーク。
 ・ 2001年のテロを切っ掛けに、「連続マーク」を作り始めた。 
 ・ 以後 「繋げる事」をテーマに、美術 建築 デザインの境界領域で活動。
ロゴマークは通常単体のデザインだが、「個」を繋げて「群」にすることで、無限の展開が可能となる。 
日本の伝統的なデザインである江戸小紋や唐草模様、中東のアラベスク、ウィリアムモリスの連続模様などとの関連も紹介された。
正方形や三角形を単位として自由に連続させていく、 という新しいデザインアプローチを切り開き、作品のひとつは「新日本様式 100選」に選ばれた。
気がついたら、まさに「立志 ・開拓 ・創作」の道を歩んでいた。
個 - 1 個 を繋げる
個 - 2


著作権 :
   野老朝雄氏 所有
群 となる
また、「集合値、積み重ね」を信じている。 例えば、オリンピックエンブレムを元に映像作家がアニメーションを制作したり、3種類の四角形を組み合わせて三次元立体にする、などの試みが行われている。 
一つのデザイン(個)は終わりではなく 始まりであり、2020年までに様々な展開(群)が期待されている。
講演の後、数人の生徒および卒業生から質問があり、それぞれに丁寧に答えていただいた中で、



一つのことにこだわる、注目する
逆のことを考えてみる、脱線してみる
これしかない ではなくて、これだけある、これもある
自分の生き方を勧めはしないが、やるなと言われてもやり続ける熱心さがあれば、大丈夫
などのお答えが印象に残りました。
ホームページ部会 019 高橋俊一 記
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